副業でせどりをしていると、年明けから気になるのが確定申告です。
ただ、最初に迷うのは「自分は申告が必要なのか?」だと思います。
私もせどりを始めた頃は、売上が20万円なのか、利益が20万円なのか。仕入れた商品はどこまで経費にできるのか。このあたりが分かりづらいと感じました。
所得は、売上から売れた商品の仕入原価と必要経費を引いて計算します。
この記事では、会社員が副業で中古せどりを行う場合を中心に、確定申告が必要になる条件、準備する書類、在庫の扱い、申告の手順まで順番に解説します。
※2026年7月時点の一般的な情報です。給与の受取先、ほかの所得、控除、所得区分などで扱いが変わります。最終判断は税務署または税理士へ確認してください。
副業せどりで確定申告が必要になる人
給与を1か所から受け、その給与が源泉徴収の対象となるなど一定の会社員は、給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。
売上が100万円でも、売れた商品の仕入原価と手数料などを引いた所得が15万円なら、「売上が100万円だから20万円を超えた」とは判断しません。
反対に、せどり以外の副業所得がある場合は、それらも合計して判断します。
20万円以下でも申告が必要になるケースがある
20万円基準だけを見て「申告不要」と決めるのは危険です。
- 給与を2か所以上から受け取っている
- 給与収入が一定額を超えている
- 医療費控除や寄附金控除などを受けるため確定申告をする
- 給与・退職所得以外の所得を合計すると20万円を超える
- 源泉徴収されていない収入など、別の申告理由がある
医療費控除などのため確定申告をする場合は、せどりの所得が20万円以下でも、その所得を申告書へ含めます。
所得税の申告が不要でも住民税は別
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
20万円以下なら何もしなくてよい、という意味ではありません。住んでいる市区町村の案内を確認してください。
税金全体の考え方は、副業せどりの税金をまとめた記事で詳しく解説しています。
所得を計算する前に年末在庫を確認する
せどりの確定申告で間違いやすいのが、仕入れと在庫です。
仕入れた商品が12月31日時点で売れていない場合、その商品は基本的にその年の売上原価にはなりません。年末在庫として棚卸しし、翌年へ繰り越します。
| 年間売上 | 200万円 |
|---|---|
| 年間の仕入支払額 | 130万円 |
| うち年末に残った在庫 | 30万円 |
| 売上原価の単純例 | 100万円 |
実際には期首在庫も含めて計算しますが、仕入支払額130万円をそのまま全部経費にしない、という点が重要です。
商品ごとの仕入値と販売状況を記録しておけば、年末の棚卸しがかなり楽になります。
副業せどりで準備する資料
確定申告の直前にすべて集めると、かなり大変です。次の資料は月ごとに整理しておきましょう。
- Amazon、メルカリ、ヤフオクなどの売上・入金明細
- 販売手数料、振込手数料、送料の明細
- 仕入れレシート、領収書、クレジットカード明細
- 交通費、梱包材、ツール代、外注費などの記録
- 通信費、車両費、家賃などの家事按分の根拠
- 12月31日時点の在庫一覧
- 会社から受け取る源泉徴収票
- 各種控除に必要な証明書
販売サイトの入金額だけを売上にすると、手数料が差し引かれた後の数字になっている場合があります。
売上は売上、手数料は経費として分けて記録できているかを確認してください。
事業所得と雑所得を確認する
副業だから必ず雑所得、開業届を出したから必ず事業所得、という一律の判断ではありません。
営利性、継続性、取引規模、帳簿保存などを含め、社会通念上事業といえる実態があるかで判断されます。
所得区分によって申告書の作り方や青色申告の可否が変わるため、迷う場合は税務署または税理士へ相談してください。
開業届と青色申告については、副業せどりの開業届を解説した記事も参考にしてください。
副業せどりの確定申告をする手順
1. 1年分の売上を集計する
1月1日から12月31日までに計上する売上を、販売先ごとに集計します。
入金日だけで機械的に判断するとずれる場合があるため、継続して同じ会計処理を行い、不明点は税務署や税理士へ確認します。
2. 売上原価と年末在庫を計算する
期首在庫、年間仕入、年末在庫を使い、売れた商品の原価を計算します。
3. 必要経費を集計する
販売手数料、送料、梱包材、交通費、ツール代、外注費などを集計します。
私生活と共用する支出は、事業で使った割合を合理的に分けます。
4. 会計ソフトまたは国税庁の作成コーナーで申告書を作る
日々の記帳にはクラウド会計ソフトが便利です。申告書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーでも作成できます。
数字を入力する前に、所得区分と棚卸しが合っているかを確認してください。
5. e-Taxまたは書面で提出する
e-Taxを使えばオンラインで提出できます。利用方法や必要な本人確認手段は変わることがあるため、申告する年の国税庁案内を確認します。
所得税の確定申告期間は、原則として翌年2月16日から3月15日です。土日祝日に当たる場合などは期限が変わるため、その年の正式日程を確認してください。
6. 納付または還付を確認する
申告書を出しただけで終わりではありません。納付税額がある場合は、期限内に納付方法を選んで支払います。
資金不足にならないよう、毎月の利益から納税用のお金を分けておくと安心です。
自分で申告するか、税理士へ依頼するか
自分で申告しやすいケース
- 取引件数が少なく、売上と仕入れを整理できている
- 毎月記帳している
- 在庫数が把握できている
- 所得区分や家事按分に大きな迷いがない
早めに相談した方がよいケース
- 複数の販売先があり、取引件数が多い
- 在庫や仕入れ記録が合わない
- 事業所得か雑所得か判断できない
- インボイス登録や消費税が関係する
- 過去の申告漏れや修正がある
税理士へ依頼する場合でも、売上明細やレシートの整理は必要です。丸投げすれば資料を何も用意しなくてよい、というわけではありません。
確定申告でよくある間違い
- 売上20万円と所得20万円を混同する
- 仕入れた商品を、売れていなくても全額経費にする
- 販売サイトの入金額だけを売上にする
- 私生活の支出を全額経費にする
- 20万円以下なら住民税申告も不要だと思う
- 開業届を出せば自動的に事業所得になると思う
- 期限直前に1年分をまとめて記帳する
利益率や月利の集計も曖昧な場合は、せどりの利益率の計算方法と月利シミュレーションから先に整理してください。
確定申告を動画で確認する
動画では、せどりで残す数字と申告前に整理する内容を確認できます。
ただし、動画公開後に税制や画面が変わることがあります。制度判断は国税庁の最新情報を優先してください。
副業せどりの確定申告まとめ
- 20万円基準は売上ではなく所得で考える
- 20万円以下でも、ほかの条件や住民税申告を確認する
- 12月31日時点の売れ残りは棚卸しする
- 売上、仕入れ、経費、在庫を月ごとに記録する
- 所得区分に迷ったら、申告前に税務署や税理士へ相談する
確定申告は、2月になってから始めるより、毎月の記帳を続ける方が圧倒的に楽です。
まずは販売サイトの売上明細と仕入れレシートを月ごとにまとめ、年末に在庫を数えられる状態を作っておきましょう。